城丸正ブログ

笑える矛盾と、笑えない矛盾

2022.01.14

スタッフによく言われたことがあった。「朝言っていたことと今真逆ですよね。」あるいは昨日言ってたことと今日は全く違うことを言っている、なんてことはしょっちゅうだった。

俺だって信念や態度は一貫したものでありたいと強く思っているが、実際はそうもいかない。それぐらい矛盾を抱えながら生きていくのが人間だとも思う。

明るい時もあるが暗い時もある、頑張ってるけど怠けることもある、粘り強いが諦めも早い、孤独が好きだと言っているが群れている。好きになってはいけない人を好きになったり、やっちゃいけないことをやってしまう。こうした矛盾は笑えるしドラマになり、映画であれば面白いものになる。誰だって清く正しく美しく生きたいと思っているが、そんなに単純ではない。

少し前の記事で、笑えない矛盾があった。それは「実名報道」という内容。他人に対し実名を求めるが、多くの日本人は自分は匿名でツイッター等のSNSで標的に石を投げる、言葉で罵倒しながら追い詰める。この匿名率は75%で世界一だろうと言われている。自分は名前を出さず、特定の誰かについては名前や顔写真を公開することを迫り、「死ね」とか「消えろ」などと言葉の暴力を浴びせ、徹底して追い詰める。この「誹謗中傷」は至る所で起こっている。

コロナ禍でみんなで協力して乗り越えようと言いながら、デジタル化なのかITなのか便利な道具を利用した笑えない矛盾が存在している。これもドラマになるし、映画にしようと思えばできる。

人間の世界は矛盾だらけだからこそ、ふざけるなと生きていくしかない。自分も含めて清くもないし正しくもないし美しくもない。だが、そこを認めた上で身近にいる仲間と生きるというのが一番なんだろう。