城丸正ブログ

目に見える規模

2022.01.22

ほどよい量をつくる、つくりすぎない、その結果捨てる量が減る。これでいいはず。

我々家具小売業の仕入先はほとんどが国産製造メーカーだが、輸入商社も多い。昔は国内メーカーだけで市場は成り立っていたのだろう。町の家具屋は何件もあった。だが、今はどうだろう。

家具はいつ頃からか中国や東南アジアの安い人件費で大量につくって大量に売り、そしてあまり長く使わずに買い替えをしてもらうという商売で巨大になった。一握りのチェーン店。

その結果、国内の家具メーカーはどんどん売上が下がってきたのも事実だ。さらに国内の工場は減っていった。

お付き合いさせて頂いている国産メーカーは決して巨大ではないが、長い歴史と技術と新しいデザインで自信を持って提案できる。安さを武器にするのではなく、10年、20年いや100年先のアンティークを目指したいというコンセプトを持ったメーカーもある。拡大を捨てて、大量を捨てて、長く使っていきたいと思う、愛情をプラスして。それこそが地球が供給できる資源の範囲内に経済活動を抑えて保つことに繋がる一つのやり方ではないか。

巨大な企業ではない目に見える小さな規模の組織だからこそ、一つ一つを大切に丁寧に提供していく仕事。目に見える規模って、これから真価が問われる。