最近、いろいろな面で生産性を上げる、あるいは効率化することで今よりも成長できるという流れが強い。否定はしないが、もっと大切なのは、誰かがやらなきゃならない仕事は無数にあるし、効率化できない仕事も無数にあるということだ。こういう仕事は人手が欲しい、非効率だからこそ雇用が生まれているのも事実だ。
デジタル化はあくまで手段であって目的ではなく、人と人が集まって力を合わせ体を使って動くことによって成し遂げる仕事はまだまだ多い。こうした人が集まって働く時、何が大切かといえば、約束を守るということとウソをつかないという当たり前な事、さらにトラブルや危機に対し臨機応変に対応する能力も必要になる。そして誰にでも目に見える数字より、目に見えないその人ならではという対応力がすごく大切だ。だから、生産性が低いから単純にダメだということではなく、非効率だからどうのこうのではなく、職種によってはそんなに単純なことではない。
人を必要とする分野がまだまだ無数にある。効率を上げる、生産性を上げることは目的ではなく手段でしかない。人が気持ちよく長く働き、経済的な幸せとやりがいや生きがいという精神面的な幸せを感じることがなによりも大切だと思う。こんな考え方で仕事をすることも経済活動の一つ。まずは、打ち込んでやれば気付くことは沢山ある。理屈は後からついてくる。それが本物だったりして。生産性とか効率だけが全てじゃない。
人は回り道したくなるし、サボりたくなるし、超がつくほどアナログな動物だからおもしろい。