ボブ・ディランが言っていた。「この年になって、まだ働ける場所があるのは普通のことではない。働けること、それがすべてだ。」って。まだ彼が40代のときだそうだ。
つまり、「働く」ということは、他の人とまじわること。働く場で怒られたり、褒められたり、時には感謝されたりすることで、人は生きていける。だから、食うためだけでなく、人間の尊厳という面でも必要不可欠なことなんだ、という記述があった。
その通りだと思う。政治や経済の役割は、人間の「働く」場を作り出すこと。経済が成長しないと、この「働く」場がなくなっていく。極端な話、経済が行き詰まると戦争が起こって様々な物や人が壊されていく。そしてその後、復興という形で経済が動き始める。という歴史が繰り返されていく。
今のロシアとウクライナの戦争もあってはならないことだが、人間の「お金」に対する執着と「権力」に対する執着は、時代がどんなに変わっても変わらないことなのか。人間の欲望は、様々な形で良くも悪くも作用していく。
本来は、「働き方の改革」ではなく、「働く」ことの大切さを考えるべきだろう。平和であることが幸せであり、「働く場」があることで、人間として存在する意味がある。
ある本に、「第2次世界大戦で5,500万人ぐらいの犠牲を生んだその犠牲の上に今の豊かさがある。また何千万人も犠牲にすることでもっと豊かになってもっと成長したいのか、今の豊かさで十分満足なのかという選択なんだ。」と書かれていた。政治と経済って切り離せない。なんとなく複雑な気分になってしまう。コロナの感染も第7波だし、世界中で人間同士の権力闘争が起こっているし、グローバルとか言って世界はつながっているけど、最後は平和なつながりが一番だと思う。子供たちのためにも。そして、一生懸命に働く場があることが幸せじゃないのかよ。