城丸正ブログ

「ゆっくりいそげ」「非常識が常識に変わる」

2022.07.24

あるメーカーと取引ができるようになって、担当の営業マンから「売上の2%ぐらいを広告宣伝費に使うのは基本ですよ」と言われ、よしやってみよう、例えば100万円だったら2万円、1,000万円だったら20万円かと思いながらスタートした。だが、店の知名度、認知度がないのにチラシをまいたりしてもさほど効果はなく、思うように行かなくなり、さらに多くの広告費を使うようになっていった。何年か経って、もういい、やめよう、それよりも来店してくれるお客様一人一人に丁寧に向き合うことを積み重ねることで気付くことがあるだろうと、まずは店の内装や空間に目を向けて広告宣伝費をそっちに使い始めた。すると、5年目くらいから同業他社との違いが出始めて、「ここ家具屋?何屋?」「わけがわからないけど気持ちがいい」「あっという間に時間が過ぎる」「ついつい買い物したくなった」「友達誘ってまた来てみよう」という声が聞こえ始めてきた。

このことが大切なことで、時間はかかるが、かかったからこそ近道を見つけた感じだった。

元々「ビジネス」という考えは好きになれない。どっちかというと「商い」。飽きないで長く続けるからこそ「商い」だ、なんて屁理屈をこねたりしていた。「ビジネス」というイメージは、時間をかけず、労力をかけず、コストをいかにかけずに生産性を高め、効率よく売上を上げて、「お金儲け」をすることに行き着く。これも否定することはできない。

売上が上がるということは、自分達がやっている事に対する生活者からの評価だし、現状より少しでも良くなっていくために、あこがれる店や会社に一歩でも近づくための努力もしなければならない。

ゆっくりと時間をかけてつくり続けることと、目の前の変化に対応するためにいそぐこと、この相反することを同時にやらなければならない。

家具という商品に出会えてよかったのは、配達という仕事があるからだ。売るだけでなく、生活者の家の中に入れる、そして、その空気と空間に新しい家具を納品し、新しい生活のスタートに携われる。さらに、壊れたら直す、その先には、部屋をキレイにしたいうというリフォームもお願いされることがある。その理由は、店の空間に大工の土田君が常に手を入れてくれているからだ。営業時間中でも工事をすることはしばしばある。音とホコリが出るが、逆におもしろい店だとか、この店はこんな事が当たり前なんだという「普通」になる。

人によっては耐えられないという人もいるかも知れないが、そこがウチの非常識みたいな感じだろう。だが、このことも最近はどうなんだろう。「ウチのウチらしさ」もあってもいいじゃないか。常識はどんどん変わる。非常識があっという間に常識になる。あ、そうそう「ゆっくりいそげ」という行動もある。何が正しいという答えはないと思う。