城丸正ブログ

足元のなにげないものにヒントがある。

2022.07.31

漫画家の里中満智子さんが書いていた内容。

「同じ題材から別の物語が生まれることが多い。ストーリーは同じでも、作者によって訴えている思いや構成が違う。例えば、映画のウェストサイドストーリーもシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を原作にしている。そのシェイクスピアも、さらに古い伝承をもとに『ロミオとジュリエット』を書いている。だから、ドラマ作りでも大事なのは、新しい筋立てやエピソードを無理やりひねり出すことより、作者独自の考え方をドラマにのせて表現することなのだろう。たくさん読むのは可能性につながる。」と。

 

これは、商売でも仕事でも同じだと思った。

「家具屋」をやろうと思って始めたわけではなかった。リサイクルショップをやりたくてやったわけではなかった。何をするにも、自分だったらこんなふうにやってみようだった。

同じ家具だったら、捨てられてしまった物をもう一度きれいにしたら買ってくれる人がいるかも知れない。アメリカまで行かなくても、日本でアメリカの家具が手に入るところはどこ、しかも安く、そうだ、米軍基地へ行くしかない、そう思って動く。

そして、店を開く。当然、学生相手では成り立たない。米軍の払い下げは変わった大人だからこそ興味を持つ、しかも少数派の人達だ。

当然、ちょっと変わった人達との出会いが生まれ、彼等の生活や価値観に触れる。しかも、時間とともに、年とともに彼らも変化していく。当然、自分も変化していく。これがストーリーなんだと思う。

「小説も漫画も一つのテーマはあるが、同じ題材から別の物語が生まれる。」ということは、無理やりこじつけてしまうが、自分の仕事も全く新しい事業でも何でもなく、基は同じ。

自分だったらこうしてみたいという表現でしかない。ただ、簡単に受け入れてはもらえない。それはそうだ。漫画家であろうが、どんな仕事でも生き残っていくのは大変だ。その大変さを一生かけてやり続けていこうとするから最後に認めてもらえるのかも知れない。

参考になる事は、足元にある。あたり前のことを、ばかになって、ちゃんとやってみればわかることもある。でもわからないことも多い。だから、続けるしかない。