30年前、米軍基地の周りにあったフラットハウス。平屋で、何回も外壁はペンキで塗り重ねられている家でした。基地の中のロフトや、その周りの環境はまさにアメリカそのものでした。1ドルが360円もしくは240円くらいの時だったか、いや180円くらいだったかは覚えていませんが、今の1ドル78円のように円高ではなかった。私にとっては若い時から憧れていたアメリカの暮らしが目の前にあった。当然ハウスの中は、リビングダイニング、ベッドルーム、トイレ、バスルーム、小さいけれど土足で入れる。私はちょっと抵抗感がありましたが、カッコイイんです。この米軍ハウスを調べてみたら、今の日本人の暮らしに大きく影響を及ぼしているんです。
昭和20年、第二次世界大戦で日本はアメリカに敗けて、米国軍が日本に滞在するとき、米軍の人々が米国本土と同じレベルの暮らしを日本で実現するために、デペンデントハウスとして20,000戸のハウスを米兵とその家族のために造った。その時に、家電・家具インテリア等々まさに今までの日本では到底想像したことのない暮らしが目の前に表現された。これが現在の私たちの暮らしに大きく影響を与えたことはもちろんです。当時小学校の先生の月給が2,000円。都内のアパートの家賃が150円だった時代ですから・・考えられますか?実はこの米軍ハウスは単純にアメリカ人のためだけではなくて、日本人の目指すべき新しい住居の姿や生活様式を示すことも大切な使命であったそうです。普通の日本人が無理なく家族4人で暮らす「ローコストハウスの追求」平和で少しだけ豊かさを感じ、ささやかな幸せを通じて将来の夢を実現させる暮らし方、戦争に敗けはしましたが、新しい暮らしのスタートができたわけです。
米軍ハウスも数は減ったかもしれませんが70年も時を超えて住みつがれている。私も仕事でつきあいのある人は、この米軍ハウスに家賃を払って住んでいます。もちろんアメリカユーズド家具を扱っている人に決まっています。私は平屋の米軍ハウスは家の基本だと思っています。このハウス、日本の大工さんがたくさん参加して造ったんです。間取りで悩む必要なし!!