国内のホテルや旅行会社の1割に当たる5,000施設が、コロナ禍で閉業した可能性があるという記事。さらに、業績が赤字と答えた旅館は7割もある。客室が100室を超える旅館に限ると、9割弱まで上昇する。それに伴って、宿泊業の従業者は4万人減って、22年5月時点で66万人しかいないそうだ。厳しい現実が目の前にある。
我々の長岡店は、廃業した割烹旅館を再生して15年になる。宿泊、ウェディング、レストラン、カフェ、そして暮らしの提案を基本に、家具・インテリアの売店、泊まるだけではない利用のキッカケを作ったことで、新たな旅館の「カタチ」を創ることになった。さらに、マスターウォールという家具ブランドと業務提携をして、体感してもらうことで購入していただく。
メーカーと小売りとの新たな共業も、これからの時代、大切な挑戦だと思っている。所詮、商売も人の命も「儚い」ということを基本に考えて、「もうこうじゃない、これからはこうしていかないと」次から次へと何かをしなければ閉業や廃業に追い込まれてしまう。それは、旅館業だけでなく、家具屋もありとあらゆる業種に言えることだ。たまたまコロナ禍というウイルスの感染が引き金だったかも知れないが、少子高齢化が進む、あるいはデジタル化が進む今、当たり前に存在する業種の半分はなくなると言われている。
どうやって生き残るかは行政に頼っても解決しない。行政はつぶれない組織で、我々は少しでも変化についていけなければ閉業になり、誰も助けてはくれない。自力で生き残らなければならない存在。
最後は覚悟しかない。民間に元気がなくなれば、最終的に役人さんたちも終るし、政治屋さんたちも終る。性格として、誰も見向きもしない場所や手を出さない事に目が向いてしまう。だから、そこをちゃんとしようとすると時間もかかるし金もかかる。しょうがない。結果として時代を逆走する羽目になる。でもね、救われるのは、働きたいという若者が1人、2人と増えてくること。ITでもデジタル産業でもないが、何かがあると思う。人はアナログだからだと思う。