私が商売を始めたころ、24時間営業のスーパーやコンビニはまだ無かった様な気がする。
車もハイテクではなく少しアナログが残っていて、20代の頃のケンとメリーのスカイラインとかセリカとかの様に、憧れる車から少し変わり始めた時だったように思う。
バブルが始まりかけ、世の中もっともっとと物質的な豊かさとお金を追う事が幸せにつながるという価値観、私がリサイクルショップを始めたことは、時代とは逆に走り始めてしまった。
でも、救われたのは倉本聰の「北の国から」のテレビドラマだった。五郎の生き方は、店を始めたときの私の姿とかぶっていた。振り返ってみてわかることが一つあるとしたら、時代の流れを逆に走るという生き方をしている自分に気付く。
家具屋なんて一日一店つぶれている。
本屋も一日一店つぶれている。
服屋も一日一店つぶれている。
屋がつくものは確実に一日一店つぶれている、と言われる。だからやるんです。
流れに乗って生きることは否定しません。でも、ドラマにはならない。「北の国から」のように、本当に大切なことは実はこうなんじゃないか、ということも大切だということ。
それは逆走してみること。流れに逆らうことは、ものすごいエネルギーを燃やして生きること。実は、未来は誰も予測できない。未来を捨てて過去に生きることは本来の人間の姿があるような気がする。
ちなみに、今の若い人、30年前の同世代の人と比べると五感や感性が3分の1しかないそうです。
便利で簡単、早くて安い、本も読まない、人と一緒が安心。群れから外れた人をいじめる。流れに逆らうことの孤独感を味わい、強く生きることも必要な時がきた。高速道路の逆走はだめ。でも、時代の流れに対する逆走は今、一番大事だと思う。