城丸正ブログ

直すことのやさしさ

2013.04.14

家具をお届けすると古くなって使わないソファやキャビネット、チェアその他様々な物を引き取って処分します。私どもで以前販売した懐かしいものがあったり、まだ修理すれば使えそうな物、他社で買われよくここまで大切に使いこまれたなぁと思う物。そのひとつひとつにその家族の暮らし方が見えてきます。また、かわいそうにと思うこともあります。人の傾向としては安い商品であればあるほど無残な状態になっています。どうせ安いからという理由もあるでしょうけど手入れすらされない。世の中に一生ものなんてありません。でもせめて結婚や新築や新入学、色々な人の人生の記念日にそろえる暮らしにはすこし無理をしてでもという気持ち、大切ではないでしょうか。そうすると自然に大切にしようという気持ちになります。その結果、一生少なくとも永く使っていこうという愛が生まれます。それがその人のセンスであり感性なんですね。誰でも胸に手を当ててみると一つや二つ思い当たる節がありませんか?

S.H.Sも反省すべき点が沢山あります。永く使っていただける品質の良い物は当然価格も高いはずです。お客様のイメージされる品質と価格とデザインとの間にはまだまだ大きな差があります。お客様の求めている品質と価格を提案し、数年でだめになる商品も中にはあることも事実です。でも修理してでも永く使っていただけたら嬉しいと思っています。何故なら私は30年以上アメリカの1960年代の家具、イギリスのアンティーク、デンマークのビンテージを直して販売してきているからです。日本の家具でも50~60年前からずーっと大切に家具を使っていらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。修理依頼も多いです。引き取った家具の処分にはお金がかかります。本当は直して使えたらと思うのですが安く作って安く販売されたものはやっぱり直せません。修理代の方が高いからです。そうすると新しい物を買った方が良いという。そしてまた安い物に手を出してしまう。損得という次元で考えないことです。・・無理かもね。全国をまたにかけて出店する店が多いですからそれが当たり前になてきますね。価格破壊、自然破壊、人生破壊にならない様に努力していかないと。お父さんの給料破壊につながることもお忘れなく。