城丸正ブログ

成長するということ

2018.04.24

2013年に、パタゴニア副社長ヴィンセント スタンリー氏が書いている。

人々はいつでもビジネス・企業・人生の経済的な成功にあわせて『成長』が解決策になっている、仕事が足りなければ経済成長させればいい、幸せになるには経済成長を促せばいい。と考えて実行してきた。しかし経済成長によって全ての人が恩恵を受けるわけではない。そして経済成長によって人間が地球で生き残れるかどうか危機的な状況にある。と書いている。

経済成長は物質的により良い生活をもたらしてくれると同時に、一方では環境や社会に悪影響を与えている。その代表的なものが原発だったりする。安い電気を供給すれば喜ばれる、しかし一度事故が起こると人間の力ではどうにもできなくなり、もう二度とその場所では住めなくなる。これも経済成長という名の元の人間の行為、日本は人口が減って大変だと言っているが、世界の人口は1970年代から現在まで増え続け、世界経済の規模は5倍になったそうです。だから最近日本は特にグローバル・グローバルって言うんだなと思った。国内だけを相手にしていたら成長しない、世界に向けて羽ばたこうってか、我々のような小さな商売が無理だっつーの!

小売業という業種を選んだ以上、製造元から商品を仕入れて売る、”誰に、新潟の人に”、たったそれだけです。

でも業界の中で製造小売という業種が成長すると、人件費の安い国で安く作って、安く売る。量を売るために店を多く作る、結果成長する。これ右手で素晴らしいことをして、左手でものを日本人に作らせないという。悪いとは言えないが、作る仕事を国外に移す、結果日本の製造業はどうなる、どんどん日本から出ていく。要するに今プラスの面とマイナスの面が世界中で起こっているということ。

リサイクルショップからスタートした私は、人がいらなくなった物をきれいにして欲しい人に売る、古い倉庫や旅館を直して小売業をやる、このことに強い考えがあったわけではないが、単純にお金が無いし、好きなことだからやっただけではあるが、もったいないという気持ちは強かった。それと、こんなことやるの自分だけだろうと、その当時自分自身に酔っていた。

最後にスタンリーは、人間が作った経済は初めはとてもベーシックだった、しかし時間とともに経済発展は個人のベーシックニーズを超えた欲を生み出した。それによって本質的な幸せを得ることはできなくなった。と言っている。

私は負け惜しみを言ってます。大きくなれない人間の、もっともらしい理由です。世の中の90%以上の中小零細は、皆さんスタートから今日までの独自のストーリがあるし、予測できない未来へしぶとく生きていかなければと思っている。

資本主義経済にもプラスの面とマイナスの面がある。成功する者もいれば、失敗する者もいる。それが現実、誰も助けてはくれない。強い者が勝ち、弱い者が敗ける。今正直に当たり前のことを伝える人はいるのだろうか。

根本的に立ち位置を変えて取り組む必要があると思っている。