城丸正ブログ

小商いとして、どう考え、生きて死ぬか

2019.01.20

JR長岡駅前のイトーヨーカドー丸大長岡店が2月11日、31年の歴史に幕を下ろす。

実は21年前、S.H.S長岡店は、そのヨーカドーのすぐ裏通りにある古い小さな3階建てのビルを借り、自分達で内装を仕上げ、夢と希望で胸いっぱいでオープンした。

初日の売上げは『ゼロ』、打ちのめされた。

その時、長岡の人のよそ者に対する厳しさを思い知ることになった。

何年か後、あの時なまじっか思い通りの結果が出ていたら、私のことですからナメてしまったでしょう。その城内町から左近、そして要町、そして高畑へと移転を繰り返し今に至る。

四度目の正直と自分勝手に屁理屈をこねて、多くの社員が去り、今残っている社員は結婚して子供のいる家庭人もいる。何のための長岡店なんだろうと考えることも多くなってきた。

業績が伸び続けることは不可能、ただそこにいる社員の生活を守る、地域の人から支持していただく、その結果何とか継続していくことが我々小さな商いの基本だと思って、目の前の物事に手を入れ続けていくしかない。

ヨーカドーのニュースを読んで、改めてどんなに大きな資金で、大きな店、沢山の従業員、そして大きな売上げを誇った店も老化して死んでいく。最近、地方都市のいたる所で起こっている。

31年前、ヨーカドーが出店した時、町の商店街は賛否両論あったと思う。結果、商店街は恩恵どころか廃業まで追い込まれていく。

新聞社やテレビ局は、小商いの広告はなかなか貰えないが、大きい小売業はチラシを始め、テレビCM等、大切な存在になっていく。あっちを立てればこっちが立たず、人間はどうしても自分都合で行動し、結果責任は取れない。

資本主義であろうが社会主義であろうが、そんなに大差はない。

確実に郊外の商業モールの乱立とネットの影響は、大であろうが小であろうが、食い潰していく弱肉強食の世界だということは間違いない。

2月に長岡に県内2店舗目となる全国チェーンの大型家具店がオープンする。またマスコミはヨーカドーオープンの時のように、クライアントである大企業からの依頼で広告宣伝する、当然です。ただ、どれだけの地元の業者が廃業になっていくか、そういう意味ではヨーカドー閉店は『物悲しい』という記事を書くことに違和感を感じてしまう。

大切な思い出というより、大切な広告主を失う悲しさもあるのか。

経済成長が止まっているのに、まだどんどん拡大、地元は何を守るべきなんだろう。我々はそれでも強かに生き残っていかなければならない。

今あるものに目を向ける、そして手を入れ続けるしかない小商いの生き方、それがS.H.S。

死ぬまで頑張る。