城丸正ブログ

小商い

2022.09.16

我々の商売は、働いている社員の生活を守るためにやっている。決して、経済を成長させるためにやっているわけではない。給料を上げるのも、休みをもっと増やすのも、全ては売上があってこそです。人を増やし、給料を上げたとしても、売上が増えるかどうかわかりません。所詮、我々の仕事は「小商い」だということです。

 

現実は、経済成長しないということに気が付いている。だからこそ、拡大や成長を目標にせず、社員を守るために前例や常識を疑って新しい挑戦をする時なんだろう。コロナ禍で出産も減り、急激な人口減少局面に直面している。最近、耳にタコができるくらい「効率化」「生産性を上げる」「イノベーション」で、まだ成長の余地があるようなことを学者さんが言っているが、本当にそうなのか?彼等が言う「生産性の向上」ってデジタル化や機械化、そして今まで2人でやっていた仕事を1人でやる「過重労働」なんじゃないか。

 

私の立場はいつも、雇っている人間をなんとか食わせていくにはどんな手段があるかと、あれやこれややってきたら今に至った。効率性や生産性を上げることが目的ではなかった。

そして、気が付いたことがある。それは、誰もやりたがらないこと、きたない事、手間がかかって儲からないような事、そして皆が「いいね」と言わない事をやれば生きていける。

直すより新品を買ったほうが安いとか、損か得かが判断の決め手になっているとか、物事の捉え方は色々だが、おそらく全体の中の1割くらいの人は、損得よりも違う価値観をもって生きているのだろう。

多数派だけが正しいわけではない、少数派の生き方も見つめる時がきている。流れに逆らうことは大変だが、多数派が正当化されるのは危険だと思う。100人の村に10人ファンがいれば成り立つ商いでいいじゃないか。経済とか市場とかどうでもいい。必ずファンがいると思ってやり続けることで守ることができると思っている。それが「小商い」なんだろう。