「人脈なんて、クソだ」という本を読んだのは2年前。ちょうどコロナ禍の始まりだったと思う。タイトルに惹かれて、一気に読んだ。
三浦崇宏さんという人で、新卒で博報堂に入って、10年勤めて辞めて、2017年にブレイクスルーカンパニー「GO」という広告代理店をスタートさせた。まだ、40才になったぐらいではないか。
本の内容は、かなり「ヤバイ」し、思い知らされる。そして、わかりやすい。読み終えると、当たり前のことを忘れていた自分に気付く。
例えば、社会という大きなものを動かすのは「勇気」だ、精神論や根性論ではないと言い切っている。圧倒的に強い敵に立ち向かう姿勢や、絶望的な状況を何とかしようとする行動や発言が生活者の共感を生み、大きなうねりのきっかけになるとか。
数や量を求める「数字の経営」ではなく、人を幸福にさせる「言葉の経営」だとも。人口が増えない、どんどん減っている今、お客様の奪い合いをしても意味がない。お客様一人一人が、何度も何度も利用して頂くことで店が成り立っていく。具体的にどんな方法がある?
自分たちが、この仕事をすることで、誰かを幸せにできるのか、会社はどこへ行こうとしてるのか。あらためて、我々が考えていることは、新潟あるいは長岡へ行ったら必ず一度は寄ってみたくなる場所の一つになることだ。そして、なんとなく、あそこは気持ちがいい、ついつい買物したくなるとか、結婚したくなるとか。「何々したくなる。また来たいよね」という気分になってもらうことが、店で働くスタッフにとって一番のモチベーションになる。
今までの、昨年対比何十%UPとかではなく、「心を動かす」ことで「数字が動く」という結果として実績につながることなんだろう。今さら人脈なんて昭和かよ。
彼も言っている。「令和は、思想と個人の時代」個人の思想や美意識、理想みたいなものの価値が改めて見直される。それ以外にはお金を使わない。なるほどと思った。
出会うべき人は、無理しなくても出会う。損得で考える人は、本当の人の脈はつくれない。「人脈なんて、クソだ」は、心に響いた。
最後は、「好き」ということなのか。