2001年に鳥屋野店をオープンした。
前にも書いたが、古町時代、1ヶ月多くて300人のお客様が、郊外の鳥屋野に移転しただけで3,000人のお客様が来店していただいた。10倍の来店者だった。駐車場があり、3倍の売場になったからという単純な理由もある。
しかし、15年近く古町商店街で滑ったり転んだりして続けて来たことも活かされていると思う。さらに、2棟・3棟と、5年かけて拡大して、借金も増えた。カーヴドッチレストランのオープンはさらに集客が上がって、1ヶ月5,000人~6,000人に増えていった。改めて食の強さと、カーヴドッチのブランド力、凄いと思った。
最近、地方の人口が急激に減少していく。2006年がピークで、その後どんどん減っていくと言われているが、S.H.S鳥屋野が掲げる『一つ屋根の下の新しい商店街』をテーマに、様々なインショップとの協力もあって、月10,000人以上の来店客数になっている。
我々の家具の売上げはイマイチではあるが、人口は減っていくが、来店客数は減らない。そのためには競争しない、どこかと競争して商売をする時代ではないように思う。
人口が減っていくことは経済は成立しないし、ましてや誰かと競争して勝つとか負けるとかではない気がする。
第四銀行と北越銀行が合併するのも、競争をやめたということだろう。互いに競争しあったら残れなくなる。
これ、銀行だけの話ではなく、全業種に当てはまる。真似も通用しない。企業力や資金力にものをいわせて、多角経営する企業もある。
全国、いや、世界をまたにかけて出店する同業他社、どんどん地方に出店し、シェアを拡大していく。そこと競争して、仮に勝つとはどんなことなんだろう。
我々は住んでいるこの場所を愛して、仕事をして、家族を作り、子供を育て、歳を重ね、そして土に返っていく。
考えてみると、人はライバルと競争することで成長することもある。競争を完全否定するわけではないが、もう人口が減っていくことを前提で、様々なことをデザインしなければならない。その一つが、中心商店街は寂れていくが、我々の一つ屋根の下の商店街はこれからの新しいデザインでもある。キーワードは自然を味方に付ける、これしかない。
たった一人で郊外の自然の中で、店をスタートすることがどんなに危険だったか、今思うと恐ろしくなる。
私の競争は、自分自身の中にある弱さとの競争だったし、戦いだった。
ずーっとそれは続く。特に小さい会社の経営は、それが当たり前なんでしょうね。