城丸正ブログ

セルフレジ

2022.11.28

セルフレジを導入したスーパーや小売店が多くなった。お客様は列に並び、自分の番が来たら商品のバーコードをスキャンして袋に詰める。カード決済も自分でやり、そのまま店を出ていく。

今までは店のスタッフがやっていたことを、顧客自身がやる。これが普通になりつつある。しかも、「ありがとうございました」という声も出さなくていいような空気が漂っている。ある業種には非常に有効なんだろう。だが、我々は中々できない。なぜなら、スタッフと顧客の会話なくして店が存在する理由がなくなってしまうのではないかという心配があるからだ。

そこには、どうしても「人ありき」が前提としてある。「便利」・「簡単」という流れは止められないが、何を大切にしたいかでだいぶ違ってくる。

店に対するファンと、会話を通してふれあうことも大切なんじゃないか。特に、我々は接客販売という仕事だから、人と人との接点から少しづつつながり、信頼してもらって、最後に「ここで買って帰ろうか」という気分になってもらうことが一番大切だと思って毎日やっている。

機械化やデジタル化で効率を良くし、生産性を上げ、無駄なコスト減らそう。人件費も無駄だから削ろう。そんなことを追求して競争するのは大きくて力のある会社に任せてしまえばよくて、我々みたいな小さな会社は逆の考え方で生きていくのもありだ。

15年前に出版された「スタバに学べ」という本の中で、「ふれあいはハイテクに勝る」というスローガンが掲げられていた。本当にそうなのかは分からないが、個人的にはその通りだと思う。

我々の仕事は、接客をして話を聞いて、提案をして、悩んでもらって、迷ってもらって、他の店も見てもらって、そしてもう一度尋ねてもらって、さらに悩んでもらい、「やっぱり、ここで決めるね。あなただったから良かった。これからもよろしくね。」と言われる仕事だということ。「人ありき」は永遠と続ける。