10年前のノートが出てきた。書いてある事は今とほとんど変わらない。
例えば、仕事場と遊び場は分離して考えることはできない。仕事場をトータルなライフスタイルの場として捉えれば、働くこと、生きること、楽しむことは全部一つのことであり、切り離して別々に置くことはできない。
商品やサービスを売り込む時代はもう終わった。
・感じてもらう
・受け入れてもらう
・判断してもらう
・味わってもらう
・共感してもらう
そういう店、自分にならないと必要とされない。さらに、マネジャーや店長には4つの顔が必要、「好かれる」「嫌われる」「恐れられる」「信頼される」。
要するに、愛情と冷酷さとか、その都度誰かが言ったことや考えついた事をノートに書いていたんだと思う。
今はもっと変化のスピードが速くなり、歳も取ってきた。だが、基本は変わらないと思っている。経営というバトンを渡す時も来ている。小さい会社の社長が一番大切にしなければならないのは、自分の個性を優先すること、それしかない。
それと、世界で最も自分の店、会社を愛している存在でなければならない。未経験だからこそ懸命になって様々な情報と体験から学ぶことができる。小さくて弱いからこそ、強い者より広い情報を集めることで、誰もが「無理」と言っていることが実は「無理」ではないと見えてくる。
情報って現実のこと。生き残るには今の現実に合った変化をしないとダメだと思う。ところが、現実はこなすだけの仕事をやる人が増えている。作り出す仕事をしないと、小さいからこそ「こなす」より「つくり出す」ことをしないと生き残れない。
最近、巨大企業が様々な事業を手放し始めている。そごう・西武といった百貨店やプリンスホテル等々、成長しない時代の大きい企業の苦しみが見えてきている。小は小で甘くはないが、恐竜が絶滅した様に最後は小さな人間が生き残った。
「今だけ、金だけ、自分だけ」という強欲資本主義はもう通用しなくなると、堤未果という人が『デジタルファシズム』という本で書いている。おもしろかった。