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S.H.S NAGAOKA BLOG

きんしゃい有田豆皿紀行

2022.05.07

長岡店では5月15日までの期間限定で有田焼の豆皿のPOP UPを開催しています。

佐賀県有田町を中心に、伊万里市、武雄市、嬉野市一帯で焼かれる焼き物を「有田焼」と呼びます。有田焼は日本ではじめて焼かれた磁器です。

「きんしゃい」とは「いらっしゃい」「おいでなさい」という意味の方言です。

 

 

 

 

 

豆皿の歴史はとても古いです。日本では元々、中国から磁器を輸入して使用していました。1616年に日本で磁器を焼き始めてからも、中国磁器の方が品質に優れていたため、日本の磁器はあまり人気がありませんでした。しかし1644年の中国国内の内乱をきっかけに中国は磁器の輸出ができなくなってしまいます。そこで中国に代わって世界の磁器生産の中心となったのが有田でした。磁器を日本で作るようになるとそれまで中国でできなかったサイズや形、絵柄が作れるようになりました。このころから日本独自の食器が生まれます。その代表が手塩皿や長角皿です。

そのころの日本の食事の形式は今とは全く違うものでした。

テーブルを囲むのではなく、一人一人にはお膳があり、その中心に飯碗、汁椀、主菜を盛る五寸皿を並べ、その向こうに副菜を盛る猪口、を置き、手前に箸、箸の脇に手塩皿を置きました。この手塩皿が現在豆皿と呼んでいるものです。塩を盛るだけではなく、醤油や酢などを注ぐこともありました。要するに調味料入れです。

やがて日本人の食生活や食文化も多様になり、豆皿の使い方も変化しました。たくさんの豆皿に少しずつおかずをのせて華やかさを演出したり、おやつやフルーツをもってカフェ風にしたりと現代にマッチした使い方で楽しむようになりました。

 

 

 

 

 

今回は有田町にある150の窯元の中から14の窯元に注目した期間限定でのご紹介です。

 

今日はその中からさらにいくつかに絞ってご紹介します。

 

 

陶悦窯

 

 

 

 

陶土や釉薬を自己開発し、伝統様式とは異なる独自の有田焼を追求しています。独特の色合いにオリジナリティーが感じられます。今回のポップアップでもお客様の注目度の高い窯元です。

 

 

 

徳幸窯

 

 

 

 

松竹梅や鶴亀などの吉祥文様をモチーフとした珍しい変形豆皿は思わず手に取ってみたくなります。お正月やおめでたい席で映える商品です。アクセサリーや小物入れなど食器以外の使い方もおすすめです。

 

 

 

 

与山窯

 

 

 

 

 

 

 

 

代表的な絵柄は富士山。よく見ると様々な構図で描かれた富士山が伝統的な文様の中に隠されています。富士山の絵柄のバリエーションの多さに驚きです。

 

 

福泉窯

 

 

 

初期古伊万里様式を再現した染付に力を入れている福泉窯。器の縁に酸化鉄を塗った「縁錆」や呉須を表面に散布した「吹墨」技法を取り入れ、味わいのある染付を製作しています。

 

 

 

涙壺

 

 

 

 

 

 

 

古代ローマで悲しみから流す涙を入れるために使われていたというものです。1600年代の初期古伊万里時代から有田で焼かれた壺をモチーフに作られました。そのまま飾ったり、たくさん並べて一輪挿しとして使うこともできます。

 

 

まだまだこちらでご紹介しきれない魅力的な豆皿がたくさんあります。店頭でも窯元ごとに展示していますのぜひ手に取ってご覧ください。