最近、大きく取り上げられている記事に、複雑な気持ちを持っている。
売上が好調な一部の上場企業が基本給を大幅に上げるという記事が、新聞の一面に大きく書かれるようになった。裏を返せば、ほとんどの中小零細企業にとって難しい現状である一方で、自社はここまでできる企業なんだということを伝えたいのだろうか。
それはそれで素晴らしいけど、こんな記事もあった。
「実質経済成長があって初めて実質賃金も上昇する。簡単に言えば、もっと売上が上がって利益が出れば給料も上がるということだろう。ところがそうじゃない。賃金引き上げを可能な企業だけが賃上げをした場合には所得格差が拡大することになる。企業利益があまり改善されない中小企業にとって非常に難しい現実が存在する。」という内容だった。
50年以上前、大学を卒業して就職した時、初任給が28,000円だった。一年後50,000円ぐらいになった。この調子でいったら10年後すごいことになるだろうなんて考えたが、そう上手くはいかなかった。そこから大量生産・大量販売・大量廃棄というやり方で、数の力で市場を征するやり方が当たり前になり、今に至る。そしたら、持続不可能になるので、倫理的に物事を進めなければならない「エシカル」とかいう表現までするようになった。地球環境や動物への配慮、児童労働排除、フェアトレード(公正な取引)の透明性といったことが重要になった。
ということは、現実はなかなかそうじゃないということだろう。調達方法や生産背景に多くの課題があるという証でもあるし、耳の痛い大企業も多いのだろう。
今まさに「つくる責任、つかう責任」という大切なテーマもある。物価高が賃金を上げる賃金を上げるにはもっと売上を上げなければという切実な問題もあるが、あえて「○○%賃金を上げる我々はどうですか。すごいでしょ。」とアピールする必要があるのだろうか。上げられないところはダメみたいな空気はどうなんだろう。
パタゴニアの創業者イヴォン・シュイナードが今後は過度な巨大化に用心すること。どんな挑戦にも望ましい規模があり、それを越すと死に至る。
今日マイクロソフトが1万人解雇すると発表したという記事もある。
環境を守ることが賃金が上がらないことに繋がっているかも知れない。
何が正しいかは分からない。やりたい事をやればいいだけ。天国もあるし地獄もあるということ。
いちいちガタガタ騒ぐな、なんだろう。