自分がネットで買い物をするのは、「本」だけです。他の物はあんまり利用しない。古い人間でしょう。我々小売業を取り巻く環境も、ネットが主流になっている。便利で簡単、安くて早い。これに勝つことは無理。でも今、目の前にあるものに目を向けて、もう一度見直すことはできると思っている。そんな矢先、厳しい指摘の記事があった。「ノンプロ店員が多過ぎ」というタイトル。どうせネットで買い物をするお客が多いなら、それはそれで「いいじゃん」レベルの接客では存在理由がなくなる。
要は、プロになりきっていない販売スタッフが多い。例えば、この商品のサイズ、カラー、生産地、特徴、様々な質問に対し、「少々、おまちください。」と言って資料を見たり、パソコンで調べたりする。この時点でアウト。自分が好きでやっている仕事であれば、日頃からもっとちゃんと調べて知っていなければならない。さらに、専門店であればお客様の期待は高い。それに答えられる自分かどうか。「立て板に水のように答え、いろいろと教えられるようになることが当たり前にならないと」。若い人は「立て板に水のように」という意味もわからないか。今はいろいろな所で知識不足のスタッフが多過ぎる。
我々は全国を又にかけて出店するチェーン店ではない。マニュアルもない。だけど、あえて専門的な店で専門性を身につけて、「少々、おまちください。」を禁句としてお客様以上の専門知識と安心感を提供しないと生き残れない。ネットが主流になったと嘆くことはない。売れない理由は自分達の情熱が足りない、自分が選んだ仕事に目を向けて手を入れるしかない。本当のプロを目指せば道はある。一回しかない人生、それも限られている時間しか与えられていない。どう受け止めるかは自由だ。あっという間に70歳を過ぎてしまう。俺みたいに。