学校を卒業して社会に出て就職したが、1年と経たないうちに辞めた。
理由はこんなはずじゃない。
何度も何度も転職した。
好きになった人もすぐ飽きた。
ほとんど長続きしない自分だから、好きなことが最初からわかる人はいないなんて言ったり、書いたりする。
だから自分と同じような考え方や生き方をしている人に、『俺の話を聞け』と昔流行った歌のタイトルじゃないけど、『このままじゃヤバい』と30歳過ぎたあたりから自営をスタートした。
好きでやり始めたわけではない。金が無くてもやれること、こんな俺でもやれるかもしれない、やっとやりたい仕事に出会った。
それがリサイクルだっただけ、人が捨てた物を拾う、そして磨く、直す、値段を付けて売る。
意外と喜ぶ人がいる。捨てたもんじゃないなぁ。
ここでまた漢字って似ているんだ、正反対なことが『捨てる』と『拾う』、表と裏って感じだ。
喜ぶ人がいるということ、これがやりがいか、しかもやりたいと思う仕事だからやる意味があるとか、なんとか。訳の変わらない理屈をこねまわしてどんどんのめり込んでいく。
よく言われたのが、『あんな場所で、その仕事そんなにおもしろいの、バカみたいにやってもどうにもならないでしょう、将来どうするの』と、心の中で『うるさい』と叫ぶことは何万回もあった。
本音は不安で不安でどうにもならないのが正直なところだった。
だから時間がどうの、休みがどうのより、お金だった。
やりたいことがどんどん好きになっていけばいくほど、お金からどんどん遠ざかって、ゼロになっていく。
それでもやり続けられたからこそ、今につながっている。
世の中は色々な人がいる。どんなふうに考えて生きるのも自由、目の前に一緒に仕事をする仲間は、特に長く続けている仲間は、やりたいことを好きになってやり続けてきたと思う。
だから幸せなんだろう、嫌々ながら生きることは勿体ない。
たった1回、限られた時間、長いか短いかはわからないが、人と一緒に何かをすること、できることがそんなに多くはない、好きな人であり、好きな仕事になっていくような気がする。