ネットが主流になりつつある世の中で、店を維持することの難しさと可能性、アメリカ型のビジネスには背を向けて、もう一度、日本型の家族的経営という考えで会社や店を長く続けていくことを考えて、実行するのも会社の生き方ではないかという本を読んだ。
日本はアメリカ型のビジネスに憧れ続けてきたが、逆にアメリカが日本のどの部分に脅威を感じているか、更にあんな小さな国が、しかも資源もない国がなぜここまで世界の2位・3位の経済大国になったのか、戦争であれだけ痛めつけたのに不思議だったそうだ。
そして、一番の脅威が終身雇用・年功序列・忠誠心の高さの上に築かれた文化や習慣、日本人だけが持っている価値観、これを崩すことが日本を弱体化する一番の方法だった。そのために規制緩和の要求だったりと書いてあった。
私は単純で、しかも流れを疑う性分なんで、こういう内容がすーっと心に入ってくる。
しかも、つい最近まで日本の中小零細企業の社長を、おやじさんと呼んだりしていた。働いてもらっている、働かせてもらっている仕事場は、厳しさを教えたり、教わったりという愛情がベースにあって、従業員の面倒を見続ける。働くことが生きることで、社長だけが高級住宅や高級車などを所有することなど、まれだった時代がそこにはあった。
こんな些細なことが日本的な強いパワーだったはず。敢えてビジネスと呼ぶことでなく、商いという日本的な考えを守っていく生き方、このことは他のどこの国も敵わない。だからこれが異常だと言い出したり、グローバル化と言い出したりして、構造改革の名の元、日本的なやり方を壊し始めたとも書いてあった。
中小零細には経営者側とか労働者側なんて考えて仕事なんてできるはずがない。
小さいからこその役割がある。
ドイツや北欧やスイス、そして日本型の家族的経営がこれからの働き方改革であり、働きがい・生きがいをどう作るか、単に休みが多く残業がゼロなんてことが働き方どうのこうのではない。大切なのは働く喜びと、働ける幸せをどう感じるかだと思う。
これは相当難しい。情報が有り過ぎるからでもある。