アメリカのTVドラマを見ていたら、スマホのことを『デジタルコカイン』と言っていた場面があった。
日本でもスマホを見ながら自転車の運転で人を殺してしまったニュース、飲酒運転で事故を起こす人より罪が軽い、このことに被害者の家族からおかしいという声が上がっている。
こんなことは至る所で起こっている。イノベーションによって利便性を向上させて、人間を幸福にしてきたことが少しずつ不幸にさせていく可能性もある。科学技術の進歩は効率化の追求であり、時間の短縮という目標があったが、人間には人間らしい自然な時間で生きるリズムがあると思う。今後、科学技術の発展が必ずしも人間を幸せにはしないかもしれない。
私は単純に、生きることは好きな仕事を見つけ、しつこいくらい時間をかけて、人よりも時間をかけてやり続ければある程度できるようになる、それほど人間なんて差がないと思っている。
ところが3年位続けて思うようにいかないとすぐ仕事を変えて、また思うようにいかないと、また3年位で変わる。それを勝手にスキルと呼んで満足している。
世の中の9割以上の人が10年、いや20年、30年続けても思うようにいかない、納得がいかないと思いながら、もっとこうじゃないか、ああじゃないかと悩みながら、振り返ったらこんなに続けてきた、みたいな生き方をしている。
そこにその人しかできない、他の人がまねできない働き方があるような気がする。
私は転職を繰り返して、今の仕事でようやく36年経っても次から次へ問題が起こる現実を目の前に、死ぬまで続く、これを楽しむしかないと、科学技術がどんなに進んでも本質的な部分はあまり変わらないと思うことにしている。