この本と出会ったのは2008年、長岡店が高畑町に4度目の移転オープンした時だった。
いまだかつてない大きな借金をして店を作った。「だいじょうぶか?」自分自身も心のなかで強く感じていた。
この本の第8章に、「お金は出るほうが先、入るのが後。喜ばれるように使ったお金は倍返しで自分のところに返ってくる。」とあった。これを信じてやっていこうと強く思い、続けてきたが倍返しでは返ってこなかった。それでも18年続けている。
何度も何度ももうだめだと思ったことはある。でも働く仲間がいる。さらに働きたいと言ってくる人がいる。
お金は倍返しではないが、人の力は倍返しどころではない。
この章に「お金に嫌われる使い方は3つある。1つはギャンブル、2つ目は贅沢・華美、3つ目は貯め込むこと」とあった。刺さる人は多いと思う。自分も多少なりともいいだろうと思ったが、一緒に働く仲間は離れていく。
そして最後にトイレの話がある。邪心、下心、損得勘定100%でもかまわないからとにかくトイレ掃除をやってみようという内容だ。頭の悪い自分はこれだと思い、ずーっとトイレ掃除を続けている。これこそが、「あたりまえのことをバカになってちゃんとやる」ということだ。どうしても都合が悪くトイレの掃除ができない日はなんとなく悔いが残ったりする。
タイトルの1%という考え方について。
新潟県の人口が減って200万人だとしてもその1%の20,000人のお客さまが買い物に来てくれれば店が成り立つという考え方もあっていいと思う。例えば1人50,000円の買い物をしてくれれば10億円、あるいは30,000円だったら6億円ということ。現実はうまくいかないが、「たくさんのお客さまに買い物をしてもらいたい」という漠然とした考え方などありえない。
全体の1%の人々の利用で成り立つ商売をつくるのもありでしょう。続けていくためにも「これでいいではなく、これがいい」ということだったり、「どこで買うか、誰から買うか」ということが大事であり、成長拡大思考ではなく1%の人間の思考を想像してみるとか、残りの99%は見込みのお客さまだというふうに考えてもいい。
そう上手くはいかないだろうが、一つの考え方とそれに基づく行動をやっていくしかない。
小さいからこそそれしかない。