ものすごくカッコイイ内容の記事だった。読んだ人も多いと思う。
塩沢信用組合、小野澤理事長の言葉。「世の中の反対方向へ反対方向へと進んでいます。」
例えば、金融機関は軒並み「昼休み」を導入したところが多くなったが、この信組はその時間帯は逆に増員した。窓口の営業時間は午後5時まで。特に水曜日は午後7時半まで。顧客の視点に立った取り組みをしている。
多くの金融機関が「窓口には来ないでくれ。」あるいは「通帳は有料、手数料は引き上げ」などの流れに乗っているが、これに対して理事長は「それってサービス業と言えるのでしょうか」と疑問を投げかけた。さらに、メインでなくともサブ・サードでもいいと言い切る。しかも13期連続で黒字を計上している。
もう一つすごいのは、時流に逆らって高齢化・過疎化が進む場所に進出する行動。その理由は金融弱者を救い、金融難民を出さないという経営基本方針を掲げていることにある。
足元にも及ばないが、我々の仕事も少しは似ている。業界の常識や流れに対し、おかしいと思うことは沢山ある。
最近の話で言えば、サブスクリプション、アウトソーシング、リモートワーク、サステナビリティ、デジタルトランスフォーメーションなどなどカッコつけた言葉を使ったり。ずーっと前から存在しているただの英語をあたかも「こんな概念があるんですよ」みたいなノリで使い始める。こりゃ海外からも舐められるわ。グローバルな思考を強制されているように感じるが、そんな必要はない。
我々は一つの会社としてあるべき姿、目的を目指すべきだが、その過程で欠かせないこと。それは目の前の仕事、目の前のお客さま、目の前の環境、目の前の目標への努力だ。あるべき姿はあるが遠くや上を見過ぎてはいけない。足元をしっかりと見て踏ん張ってやっと一段上に跳べるものだ。
新入社員にも伝えたいが、目の前の小さな努力を怠るな。部活の試合や受験など学生時代に競争を経験していると思うが、社会に出てからの競争はもっと激しい。つまり、今までやってきた努力の何倍もの努力が必要になる。
塩沢信用組合も規模で言えば小さいかも知れないが、目の前にいるお客さま、地域のお客さまを見て、今できる努力をしているから評価もされるのだろう。