城丸正ブログ

頼りになるとは

2021.04.22

商売上の取引関係はちょっとしたドラマになる。

10年位前だったと思う。お世話になっている大きい会社を経由して、ある北欧のメーカーを仕入れていた。

ところが、その北欧メーカーの営業方針が変わり、取引ができなくなった。

理由は大きい取引先だけでなく、全国の中小の取引先を増やし、売上げを上げるということらしかった。我々も直接取引をお願いしたらすぐOKが出た。

条件としては、ある程度の売場面積と商品展示を多くしてもらいたい、そして、ブランドのイメージを表現してくれ。『やっぱりな、わかりました。そうします。』で再スタートした。

だが、相手メーカーが期待するほどの結果が出せない。おそらく全国的にも取引先を多くつくっても実績が上がらなかったのだろう、あっという間にまたもとの大きな取引先を経由して仕入れてくれと方針が変わった。

弱い立場の我々は言われるがまま、以前のようになってしまった。

今はネットで誰でも、いつでも、どこでも手に入る。いつの間にか地元にオープンした新しい店にそのブランドが並び始める。我々は20年も地元に紹介し続けて、ようやくお客様を増やし、修理、その他でそのブランドを理解していただくことを続けてきても、それはそれでしかない。

正しいとか間違っているとか、吠えても不条理なことはいたる所にある。

ムカつくことは山ほどあるが、それが商売の世界の常識として生きていくしかない。

ところが、どんな世界にもそうではないメーカー、そこで生きている営業のカッコイイ人が存在する。

もちろん利益を生むための仕事ではあるが、大切なのは頼りになる、頼りにされるという関係があってのこと。

世界的なブランド、有名なブランド、大きくて強いブランド、皆が認めるブランドではなくても、一緒に取り組んで少しずつ認めてもらう、大切なパートナーとして生きていくということでもいいじゃないか。

甘いかなぁ、現実には少数だけど、我々みたいな小さな取引先を大切にしてくれるメーカーはある。

それに応える方法は実績しかない。