城丸正ブログ

長岡店のこと

2012.01.09

最近の朝の話題は長岡の店のこと。
今の店の隣にある古い館に手を入れているところなもので。
今日もそんなことから長岡に出店したのは何年前だったかなと。
今から16年前、城内町の小さな3階建ての古いビル。
いつものように自分たちで改装した小さな店でした。
入社して3年目の村上が店長として行きました。
新潟から通って手を入れて何とかオープンしました。
長岡出店記念の初日、頑張った結果は売上0円です。
DM出して、もう覚えていませんが100人くらいのお客様にご来店していただきました。
でも売上0円。すごいでしょう?「めちゃくちゃ厳しいなぁ!!ムラカミィ!」と叫んだものです。
しかし、これが良かったと思います。甘いわけです。すべての面で。
翌日から死んだ気になって仕事やりました。地域を知らないのは駄目ですね。
長岡は城下町です。伝統と歴史、米百俵の町。保守的でよそ者はなかなか信じてもらえない。
なんたって仕事着。私、迷彩パンツですから。危ないわけです。
したがって最初の店は1年半位でクローズド。
次に左近に移って2年でクローズド。
一か八かの要町。交差点の二階建て倉庫を100万円という低予算で直し160坪の店。これも大きな挑戦です。3度目の正直といったところでしょうか。
「え?!ずっと移転じゃなかったんですか?」とスタッフに驚かれましたが、私にしたら「これは駄目だ。もう一度一からやり直し」という気持ちです。
この時、長岡での営業年数約9年。この要町の倉庫を再生した経験が実は鳥屋野店の古い倉庫の再生に活かされているのです。
ですから長岡市要町の店というのはその後S.H.Sが変わっていくキッカケだったんです。
そして現在。高畑町に店を移し、今年で4年目を迎えます。
S.H.S 長岡店、以前は「長岡館」という旅館でした。
地元の皆さんに言われました、「こんな場所にぃ、なにするがぁ?」
「私、旅館やります。但し広い館にはインテリアを置きます。売店は普通のお土産屋じゃなく、小物雑貨を置きます。大広間では宴会するんじゃなく、おいしい食事を楽しめるレストランが入ります。」
皆さん「へぇー!?」「こんなとこ人が来るが?!」「来ないがじゃぁねぇが?!」がぁーが、がぁーが、おっしゃるわけです。
私はいつも心においていることがあります。
勇気をもって誰よりも早く人と違ったことをする。ということなんです。
でも、あまりにもがぁーが、がぁーが、おっしゃるので、さすがに、心が少し折れそうになりました。でもやるんです。
昨年、新緑の頃から隣に佇む古い館の再生をとうとう始めました。
昭和30年頃に建てられた古い館です。
この大きな仕事、どうするかなぁと不安だし心配でした。ずっと。でも最近はちょーっと勇気が出てきてます。
この古い館の再生に参加してくれている3人の存在が。
なんちゃって大工の土田君と、家具職人の丸山君、今は休んでいますがログハウスとツリーハウスを造る星野君。
私、幸運なんです。何かやろうとすると自然とNPO法人みたいな人に出会う。
前にお話した、粗大ごみ拾ってた頃の三宅君みたいな、そんな存在です、この3人。
私の会社のスタッフじゃないんです。でも、手伝いたいって来るんです。嬉しいです。
特になんちゃって大工の土田君、これが私好みの人間。なんちゃってって自称ですよ。この表現が最高。で、ちゃらっと見えて実は血液型A型。仕事となると目が真剣。仕事が早い。大工ですからね、きっちりしてます流石に。で、私はいろいろ考えさせられる。けど彼の大工仕様を少し崩してるところ。加減が大事。
丸山君はO型。十日町出身。東京経済大学でてインテリアの仕事して家具づくりを学んで、縁あって現在S.H.Sで内装や家具の修理をしてくれている男。この人が職人気質。黙々手掛ける。またいろんな事やってきてるからおもしろい。会えばわかります。
休んでる星野君がまたA型。この人がすごい几帳面!木の上に家つくるってのはこういうんじゃないとできないのかとまで思わせるほどの几帳面です。アイディアが次々出てくる。謙遜する所がカッコいい。
見てて思うんです。土田君、相当S.H.S好きだと思います。
そして初めて彼は大掛かりな古屋再生の親方として日夜真面目に、酒を飲まずに、少しだけ遊んで、頑張っています。
古いものを直すというのは図面が無いのです。私は店をつくる時は基本的に図面書かないです。書けないんです。私に会えばその訳が分かります。…どんどん変化する。
本当は図面て大切なんです。承知してます。図面通りにやればね。
でも、ふと考えてしまいます。スタートからゴールまで明確な事なんてあんまりないじゃないですか。
好きな事を好きにやっていくとどんどん変化していくような気がするのは私だけでしょうか。
特に、私のような人間て誰もが気づかなかった所や忘れ去られた所、もう一度見つめなおすと物凄くステキに思うことがあります。
私が粗大ごみを見てステキだと思って、拾って直して色塗って喜んで、これ欲しいと言っていただいたお客様がいた30年前。
私にとって「やった!」なんです。今もその精神は脈々と流れています。
鳥屋野の倉庫も、長岡の旅館も、普通の人には解らなくても私には最高の宝物に映るわけです。
大きな荷物が背中にずっしりとありますが、でもきっと挑戦というのは好きな事を好きなだけ仲間とやり続けることなのかもしれません。
失敗の連続ですけど。だから挑戦し続ける日々なんです。