城丸正ブログ

道楽者

2023.12.07

最近読んだ本の記述で、応援歌のような内容があった。

「あなたの存在、小さな地域の存在、すべてが財産だ。それらが点から線になって面をつくっていく。すてきな都市を造るエンジンは、そこにある優れた商業。そこには顧客を引き寄せる力があり、その都市は育つ。つまり、商業は都市のエンジンだ。すてきな商業を考えることが都市をつくることになる。」とあった。

商業に携わる我々にとってどれだけ励みになることか。だが、自分が脱サラしてリサイクルショップを始めたときは、全く収入がなく、結果として生活ができなかった。そんな時代に、元警察官の父から「道楽者」と言われ続けた。

好きで始めたが、思うようにいかなくなり、「食うためにどうする」が一番の目的になった。だから、「点が線になり、面になる」なんてどうでもいいし、失敗の連続の中で気付いたことは、自分が好きで始めることのほとんどが自己中で自己満足で自分!自分!という自己満ショップ。だから、人から見てどうなんだろうという「外側の目」を意識していないことが多い。結果として「勝手にやれば」になっていく。古い言い方かも知れないが、道楽でしかない。

人に認めてもらう、選んでもらうにはどうするか、ましてや「お金」を頂くことはものすごく難しい。さらに商業が街のエンジンになるために、町おこしとか漠然としたスローガンではなく顧客を引き寄せるためにはどうするか、我々の商業のまわりに住みたいと思ってもらうには何を提供するか。このことが、点から線、そして面になっていく。早く道楽者を卒業するしかないのでは、特に地方の街は。