身の丈の商いということを考えるようになってきた。
バブルの頃にリサイクルショップを始めたのは色々と考えてやったわけではなく、なんとなくサラリーマンがやだなぁと思って、やれることって、なんだこれならやれるし、皆まだ使えるのに捨てている、もったいないな~、それだけ。
ただかっこいい服着て、粗大ゴミ拾うことがちょっと人と違うだろうくらい、それくらい軽い気持ちだった。
ところが、やり続けながら見えてきたことがある。あまりにも安い物を大量に作り、大量に販売、そして消費、さらに安いから大量に廃棄、そうすることで経済成長してきた。しかし、もうそろそろ終わりに近付いているような気がする。
私も個人経営から有限会社、そして株式会社にしてきましたが、経済成長しない時代に伸ばしている業種を見ると、国内だけでなく海外をも市場としているグローバル企業、この企業のほとんどが製造業。それから教育を教育産業にした人達、不動産業、そして10年くらいでトップになるネットビジネス。アマゾン・ヤフー・フェイスブック・アリババ・楽天・メルカリ等々、小売りの世界ではユニクロ、インテリアはイケヤ・ニトリ、ほどんど数社に絞り込まれてきている。
小売りにいたっては、リサイクルできないほど低価格、しかも日本では作らない。安い人件費を求めて世界の果てまで、そのうち火星人にお願いするときが来るかもしれない。
我々の子供時代は欲しいものが多かったし、貧しかった。作れば売れた、努力すれば夢が叶う気がした。成長という言葉が今とは違う響きを持っていた。
要は始まりがあり、成長があり、老化があり、終わりがある。
人の人生も、世の中も、始まりがあり、終わりが必ずあるということ。今はほんの一握りの人が政治や経済を握る時代になった。一強と言われている、それが当たり前になっている空気があっちこっちで起こっている。強い者に対する忖度社会。
我々は権力に対し火炎瓶を投げた世代だけど、もう70歳代。もうどうにもならない。だとすれば、小さく、好きな者達だけで好きなことやって、食べていければいいという。
株式会社なんてカッコつけないで、小商いという考えで自由に生きていくのもありだと思う。
だって、株式会社にする意味がない。なぜなら、経済成長しない社会だからさ。
日本の99.8%は中小零細だってこと。考え方を180度変えないと生きていけない時代でもある。