城丸正ブログ

若い床屋さんの話

2023.11.10

床屋とカフェと雑貨という組み合わせの店を経営している32歳の男性と話をした。久しぶりだった。

実はこの人、S.H.Sの雑貨売り場の責任者だった女性社員と結婚したこともあってずーっと気になっていた人でもあった。その2人がS.H.Sの店内にある「おかゆとケーキ」のカフェで食事をしていたのでついつい割り込んでしまった。迷惑なジジイなのは承知の上ですが、意外と話が弾んで時間がたつのも忘れてしまった。

彼の話の中でちょっと気になったのが、春に高校卒業して入ってきた若者が最近辞めてしまったという話だ。残念でたまらない。技術を身に着け、お客さまから評価してもらうにはそれなりの時間と努力、そして執念が必要だと32歳の彼は言っていた。

その通りだけど、現実では10代、20代の若者は32歳の理容師から見ても「なんで」と思うぐらい我慢や努力という当たり前のことが通用しない。彼曰く、「もう、わからない」どう接したらいいのか。

どの業種もおそらく一緒で、最初は仕事自体に興味をもつ、そしてだんだんとその仕事に携わる人に興味とあこがれをもつようになり、少しだけ、ここで生きてみようかなと思うのかも知れない。このプロセスを踏めないのは、あまりにも便利で簡単にそして早く答えが知りたいという流れが当たり前になったことも影響しているのだろう。

うちにも大工の土田君、家具建具職人の地濃君がいる。40代と50代のおっさんだが、後に続く者がいない。大工、板金、塗装、電気工事、左官、、、といった技術者になろうとする若者が少ないし、高齢化も進んでいるという。

最近のCMソングに“よーく考えよう、お金は大事だよ~”とあるように“よーく考えよう、技術は大事だよ~、死ぬまでひっぱりだこだよ、そしてお金につながり幸せになるよ”になると思うがどうだろう。

自分もそうだが、頭があんまりよくないと思う者は人がいやがる仕事、つらい仕事、むずかしい仕事、そして本当に助かったよと言われる仕事が“本当は大事だよ”なのかもな。“よーく考えよう”