城丸正ブログ

百貨店の存在

2023.09.02

有吉佐和子が1961年に「閉店時間」という小説を書いた。

新宿の架空の百貨店が舞台。この職場で働く3人の女性の仕事と恋愛をポップにつづった隠れた名作だったそうだ。

有吉佐和子が当時30歳だった、豊かになりつつあった戦後の疾走感が全編に満ちている。週末の店内には「街の雑踏がそのまま流れ込んだかと思うほど」混み合う。

「1円も使わなくても欲しい物を全部買ったような気持ちになれる。これがデパートの魔術なのだ。」そんな空気を漂わせて客を集め、百貨店はどんどん成長してきた。

しかし、今、そごう・西武が1日付でアメリカのファンドに買収された。この30年で市場規模は半減し、都市でも地方でも営業を終るところが「閉店時代」を迎えている。

自分も50年以上前、百貨店の採用面接を受けたが見事に落ちた。当時は花形だったと思う。だって、若いお姉ちゃんたちがいっぱい働いていたしね。

それと、百貨店のショーウィンドウは「文化」や「感性」、「センス」や「夢」を感じさせた。ところが、今は「安さ」と「物量」が人々を引き付ける。

当たり前に存在することがどんどん変わっていく。そのスピードが早くなっている。自分達はどう生きていくか、「答」がない。でも、有吉佐和子の「閉店時間」や倉本聰の「北の国から」、川上徹也の「ザ・殺し文句」とか安田雪の「ルフィの仲間力」の本の中にヒントがあった。

特に、「ワンピース流・周りの人を味方に変える法」を見ていると、働き方改革なんて「クソ」に見えてくる。何をするかよりも誰とするかも大切になってきた。百貨店は残ると思うが、大きくても小さくても悩むことは同じだな。