町をおこすと、よく言われている。代表的なことが商店街の再生。しかし、ものすごく長い時間を経てさびれてしまった。
実は、町が語りかけていたのに我々は気付かなかった。新しくつくられた素敵で何でも揃って刺激的な、便利でお洒落な新しい町にひきつけられていった。それが、2つ、3つ、4つとできてショッピングモールと呼ばれる大きな町、夜になると誰もいなくなる新しい町が地方にたくさん出来てしまった。そこに出店すれば沢山のお客様が集まるから商売として成り立つ可能性は高い。商いをする側も、そんなモールに夢を抱いて出店していく。誰が好きで寂れた商店街に出店するだろう。ただ、あえて寂れた商店街に店を出す人も少しずつ増えてきた。多数派ではなくて少数派の人達だ。忘れてはならないのは、町の活性化の為に店を開くのではなく、自分の店を魅力的な店として作り続けていくこと。しかも、何十年かけてもやり続けていく。その先に聞こえてくる町が語りかけていることの本当の意味が多少わかってくるかもしれない。
鳥屋野の倉庫を店として開業して15年目が終わろうとしています。長岡の廃業した旅館を再生して7年目が終わろうとしています。来年は創業して33年目を迎えます。何年やっても次から次へ壁が生じます。毎年毎年厳しさが増すことも実感しています。素直な気持ちで町が何を語りかけているのかを聞く努力をしていきたいと思っています。