城丸正ブログ

店はデザインだ

2023.12.17

来年で商売を始めて42年目になる。鳥屋野店は23年、長岡店は16年。両店とも、今の場所にたどり着くまでに4~5回移転した。我々にとっては「宝物」です。

今も大変さは変わらないし、楽しかった経験よりも辛い経験の方が多い。その辛い経験の方がおかしかったり、懐かしかったり、思い出として強く残っている。

ある記事に「会社は成長し、20年で一巡する。若しくは30年で寿命を終える。革新が10年から20年単位で起こらないと、それ以上続かない。中期的には3年から5年、長期的には5年から10年を見据えて、継続するために革新する。決して拡大ではない。成長を拡大と見誤ってはいけない。」とあった。

自分もずーっと、人の集まる場所に店をつくらなければ商売にならないとか、交通の便がいい所でなければダメだとか、ある意味商売の常識を意識して行動していた。だが、人と同じような見方をやめ、小さいからこそ常識でない未常識という考え方をするようになった。最終的に、両店とも人の集まる場所ではなく、わざわざ来てもらう場所、今ある自然を味方にするのがこれからだと、今の場所に決めた。

当初「こんな場所」「あんな場所」と言われた。でも、言われれば言われるほど覚悟を決めるしかなくなる。その結果、想像以上にお金と時間がかかる。しかも、常に手を入れ続けなければならない。手間をかければかけるほど、特別な愛着を持つようになる。結果として、一つのオリジナルのデザインになっていくような気がする。

よく言われるのが、「その人、その店、その会社の考え方やスタイル、そして価値観がわかりやすく見えることで、それがデザインになる。」

S.H.Sはデザイナーに頼んだわけではなく、我々の「感情」「勘」「考えていること」を目に見える形にして、働いているスタッフの目に見えない熱い思いがあるからこそ継続してこれているのではと思っている。これこそ、成長であって拡大ではないということなんだろう。