環境や人権への配慮は当たり前だという新聞記事、ファッション業界の世界中に拡大する大手小売がこうした活動に力を入れ始めたそうだ。
2013年バングラディッシュ・ダッカで起きた、『ラナ・プラザ』倒壊は多数の犠牲者を出し、消費者が自ら買う商品が、どこで・誰が・どうやって作ったのか関心を寄せるきっかけになった。
世界で安い人件費を求め、安く大量に作るサプライチェーン全体を人権や労働問題の観点から透明化する必要があると。
要は、デザインや品質、価格だけでなく、資源を浪費せず、作り手に不当な労働を強いらずに商品を作っていることを消費者に伝えようとしている。
なるほどと思うけど、低価格を武器に大量出店して、今のポジションを掴んだチェーン店ができるのだろうか。そもそもスタートから限られた資源に対し、いずれ限界が来ることは立派な会社の経営者であれば分かっていたはず。
でも人間はお金に弱いし、理想と現実は大きな隔たりがある。それでも理想が大切だとすれば、グローバル化することはナンセンス、私のような小さな店の経営は常に大きくて強い会社に脅かされる。さらに異業種がライフスタイルの提案とか言って、家具・インテリアの小売まで手を伸ばす、そんな現実の世界でグローバルよりもナショナルに目を向けて、国内の伝統的な技術を持つメーカー、その工場で働く人、その会社のデザイナー、そんなに大きくはないが大切にしている『コト』がある所とちゃんと取引をする。
私の店の大切な取引先は、国内で3社もしくは4社くらいです。取引をするにしても、ABCの原則があるように思う。
当たり前のことを、バカになって、ちゃんとする。
当たり前は互いに相手のことを好きになる、良い時も悪い時も裏切らない。
バカになっては、信じる。
ちゃんとするは、販売して実績をつくる。
安い東南アジアで誰が作ったかわからない物を大量に仕入れ、大量に店舗をつくって、大量に売って、大量にゴミを出すビジネスで成長することではない。と、小さくて弱いからこそ、そこに固執する生き方を投票してくれるお客様はどれくらいいるのだろうか。
いつも落選を覚悟で店をやり続けるのも、ありでしょう。