店の役割は今後どうあるべきなのか。
物売りでは支持されないし、成り立って行かなくなった。生活者が店に足を運ぶ理由が物を買いに行くことではなくなったからである。
物も情報も溢れている。いくら安くても、欲しくない物はいらない。ほとんど揃っている現実の前で、我々小売業はどうしたらいいのか。
家具屋・服屋・雑貨屋・本屋、『・・・屋』とつく業態はことごとく衰退してきた。そんな状況の中で、何年も前からライフスタイルショップがこれから主流になると言われ、多くの業態が開発されてはあっという間に淘汰されてきた。それでも進化し続けていかなければネット社会の中で生きて行くことはできない。
今日の日経MJの一面に、オンワード600店閉鎖の記事。『店を広げ過ぎた』。正に服屋の、あるいはアパレル業界の厳しさを物語っている。
この問題は実店舗の現状そのものである。
時代と共に変化していかなければならないということだし、都会と地方では全く違う発想で店を作って行かなければならない。
だいぶ前に言われたことがある。それは、バス停一つ違うだけで生活者の価値観は違う、と。その町に相応しい店をつくり、その地域のどんな人に共感してもらうのか、その生活者は何人くらい住んでいるのか、さらにどのくらい遠くから足を運んでもらえるのか、そして大事な売上げはどのくらいで働くスタッフが生活できるのか。
人口が減っていく地方都市で、きっとこうすればこうなるとスタートするが、思い通りに行くはずはない。仮に思い通りに行ったとしても、あっという間に変化していくそのスピードはもっと速くなるだろう。
どこにも答えはない。だからリアリティーは厳しくもあり、おもしろい。今更ECなんて考えられない。とことんリアルにこだわりたい。