城丸正ブログ

売るよりも直す

2025.05.26

30年以上前に販売したソファの修理依頼があった。最近多くなっています。

ただ、今回のソファは特別な気持ちになった。すごくうれしかった。

ソファの布は一か所も切れていないし汚れてもいない。ただ、中材がだいぶへたっていた。だけど、大切に使ってきたことが伝わってきた。

リサイクルショップからスタートして40年以上、扱う商品はどんどん変化してきた。

「使い捨てる」ことに抵抗しながら仕事をやってきたからこそこのようなお客さまに多く出会い、そして支えてもらったからこそ今まで続けてこれたと思っている。

直せるものは直す。「直す」仕事は必ず「ありがとう」という言葉を頂ける。

洋服の直しも7年目を迎える。決して成長や拡大するような「商い」ではないが、売るよりも喜ばれることは確かです。

これだけモノがあふれ、情報があふれている時代だからこそ、直す技術の大切さもある。

知り合いの車屋さんでどんなに古い車、外車でも直すお客さまがいます。県外からの依頼も多く、すごかった。結果として信頼が高まり、車が売れる。

彼の仕事のやり方、考え方からいろいろと勉強させてもらった。

ただ残念なのは、「直す」技術者が少なすぎること。特に若者が入ってこないと言って嘆いていた。

どこも一緒だなあと思った。

長い時間をかけて技術を磨くという世界に若者は入ってこない。「コスパ、タイパ」などと言ったり、厳しさをパワハラとか言ったり、便利で簡単・安くて早いといった価値観だったり、みんな大人の責任だと思うけど、もうどうにもできない時代になったのだろう。

でもいると思う。一人や二人くらい、俺はみんなと一緒はいやだというやつが。そいういう人間をその車屋さんも我々S.H.Sも待っている。