城丸正ブログ

古さを誇っても意味がない

2023.02.13

長岡は城下町であり、歴史の町、この街で25年近く店を続けて気付いたこと。

今の高畑町の店は、4回も移転しやっとたどり着いた廃業した割烹旅館。自然に囲まれ、これ以上の環境は他にないと思った。

競売で所有したが、市街化調整区域という厄介な場所だった。近くに小学校や団地があるにもかかわらず、都市計画とやらで何十年か前に「線」が引かれていた。

そこで、宿泊と売店とレストランという施設につくり変え、15年前にスタートした。おかげさまで、コロナ禍にもかかわらず、昨年100組以上の宿泊客に利用してもらった。さらに、リピーターにもなってもらった。

あらためて感じたことは、宿泊だけでなく、売店やレストランという小さな複合、あるいは共同体だからこそ、それほどコロナ禍の影響も受けずにスタッフの雇用も守ることができた。

「あんな場所どうするが?」と言われ、誰も見向きもしない場所だったからこそ、覚悟を決めて、時間とお金をかけてやり続けることで、長岡に来たら必ず寄ってみたい「店」あるいは「場所」の一つになるぞーを目標にやり続けた。

今までの都市開発の多くは、古い建物を壊し、新しい物を建て、道路を整備し、どこでもある商業施設を誘致する。あるいは「田」を埋めて宅地にして、住宅を建てる。そして、街そのものを新しくピッカピカにすることが主流だったかも知れないが、古い物と新しい物が共存し、歴史や文化というその街ならではという特徴を表現することが大切になってきたと思う。

ただ、古い建物も、これ見よがしに古さを誇っても意味がない。今の時代に合わせたセンスで使えるようにする。その結果、空間や時の過ごし方が他とは違うという豊かさがもたらされるのではないか。

幸いにも、長岡は長岡造形大学がある。民間と大学が、しかもちょっと特殊な大学と共同でつくり上げることで、新たな歴史の街ができると思う。若者が地方で仕事がしたいという気持ちは、条件や待遇だけではないし、「どんどん好きなことをやってくれ」と行政が宣言することで、結果的に民間も元気になり、一番費用対効果がいいことになる。

だが、「選択と集中」とか言って、短期的なリターンを優先してしまうから、革新的なことが生まれてこなくなる。

本当の産学連携は、「好きなことをどんどんやってくれ」、口は出さないからさ、なんじゃないのかよ。

あと、古い物を再生するだけでは意味がない。