城丸正ブログ

会社と店の数だけ物語がある

2023.03.13

会社や店は誰でも作れる。そして、それを動かすには「お金」「商品」あるいは「サービス」そして顧客をつくるという必要条件がある。

でも、これだけで会社はやっていけない。スタートは、創業者の「欲」と「アイデア」そして「技術」が世の中から受け入れられるかどうかが一番だ。その装置をつくることが経営なんだと思う。さらに、創業者だけではできることが限られているから、自分の「アイデア」を現実化するために仲間が必要になる。それが社員だ。

この社員は、創業者とは異なる考え方をもって仲間になってくる。すなわち「よそ者」であり、この人間たちが「資産」でもあるし「リスク」でもある。

我々のような中小零細企業は、高賃金や良い条件を提示して社員を集めたとしても、その社員からすぐに当たり前、当然だとみなされる儚さも存在する。なぜなら、金や条件で集めた社員は金で動き、金で離れていく。さらに、彼らは会社に養われることが当然だと思っているため、厳しい状況になった時、最初に逃げていく。会社を永く続けていくには、働く社員に自分の生活や環境を自分の力で継続させていこうという強い意志が宿っていることが必要。

だが、これが一番難しい。だからこそ、会社や店が存在する理由はなんだろうといった、いたってシンプルな問いに行き当たることになる。

人はそれぞれ、生活のためや自己実現や夢をかなえるとか様々な思いを持っている。そのために、「この会社や店だったら働いてみたい」という存在になることもありだと思っている。

我々には、創業からの物語がある。こんな内容を書く時は必ず退社する社員がいる。逆に、仲間になりたいという人がいる。10年、20年、30年と続けている社員もいる。

経営者は、この「物語」に責任を持つことなんだろう。続けることは厳しい、難しい。だから、物語になる。