丹羽宇一郎さんが書いた『会社がなくなる!』という本を読んでみた。
タイトルがGAFAも長くは続かないとか、『SDGs』『ESG』『DX』の看板に騙されるな!
これから始まる『大企業の中小企業化』に備えよ!
とか、めちゃくちゃ興味をそそる内容だと思った。
俺みたいなバカな経営者は本の終わりの方に書いてある内容が一番納得がいく。
それは、『やるぞという強い気力と決断力、そして真剣に取り組む。真剣は切れば血が出る、切られても血が出る、自分を犠牲にし誰かを犠牲にするかもしれない、それだけの真剣さがなくてはいけない。自分の家族を犠牲にしてでもこの会社を守り、社員を守る。そのために命を懸けるという覚悟で臨む。逆に言えば、それだけの愛情と覚悟がなければ経営者になってはいけない』
非常に耳が痛い。
自分はこれほどの強い意識をもってやってきたわけじゃないから。
脱サラして、好き勝手に始めて、『円』の切れ目が『縁』の切れ目になり、色々と壊すことになり、信用や信頼を失い、商売なんてやるんじゃなかったと思ったこともあった。
スタッフの親に、家庭も大切にできない人が会社を守るなんてできるはずないと言われたこともあった。
今、起業だの創業だのとあおるのはいいが、長く続けることの難しさ、嫌というほど経験する。
それと、古い仕事にいくらペンキを塗っても大した仕事にはならない。
新しい仕事を生み出さなければならない。
アメリカや中国のマネではなく、日本人の特性は技術力だと丹羽さんは書いている。
しかも人口減少は止められない。であれば、量ではなく質であり、モノではなく人の心、そして信用と信頼だと。
やっぱりそこか。
何も新しい考え方ではなく、昔も今もこれからも一番難しくて時間のかかる、口で言うほど簡単ではない、信用と信頼を技術で作り上げることしかないと、改めて確認させてもらった『本』だった。
大企業が中小企業になって、また何十年か後に大企業になっていくんだってさ。
未来は誰もわからない。
明日、自分の会社がなくならないように頑張るしかない。
それもわからない。