城丸正ブログ

今日の日経MJから

2017.10.27

『すし屋と屏風は広げるな』、実家に伝わる言葉にピンとくるものがあった。

その心は、『どちらも広げすぎると、パタンと倒れてしまう』。無理は禁物で身の丈に合った商売が重要という、奈良の老舗『つるべすし弥助』の教えだ。しかも人に流されず、自分のスタンスをという考え。

ブームに乗るといつか衰退する。長く継続する為の本質のような気がする。私も含め、ほとんどの商売は成長・拡大という目的をもって営業をする。でも、どういう状態が成長のゴールなんだろう。

欲望がある限り、それを抑えることはできない。小売業である我々は飲食業とは違うと言って、基本中の基本を無視することはない。

改めて継続する為に、あえて流れに乗らない。バーチャルで便利で簡単、安くて早いが主流の今、あえて手間暇を掛けて自分達が表現したい家具小売業のカタチを、リアルな店を通じて生活者に提案し、喜んでもらって買物をしていただく。これから大切なのは店も人も、どんな場所で、どんな建物で、誰とどんな、ハローワーク、こんにちは、働きたいよ、生きたいよ、泣いたり笑ったりしたいよな、そして、結構苦しかったけど面白かったし、幸せだったという一生にしたい。仕事は味方で、敵じゃない。誰かを喜ばせるためにあるし、自分の考え方次第でいくらでも気持ちは変わる。

今、世の中は働きすぎということに関心が向きすぎている。24時間体制の仕事、警察官や消防、医師、看護師、その他。どうしても目の前に苦しむ人、助けを求めている人、直さないとマヒしてしまう修理の現場、理屈では解決できない人間の社会がそこにはあると思う。

もっと恐ろしいのは戦争だ。もし戦争が起こったら、今の若い人達あるいは日本人は、すすんで戦地に行くだろうか。平和で少々仕事はきついかもしれないが、働く場があるだけでも幸せだなぁと思う気持ちも大切だと思う。

人口が減っていくのに、まだもっともっとは捨てないとダメかもしれない。

身の丈の商売、そして生き方がこれからかもな。