色々なところでマーケティングという言葉を使う。その前提には、いかに『売る』か、『売る』ために何をどうするか。また、様々なセミナーで、売れない時代にいかに売上げを上げるか。会費30,000円とか、やたらに多いと思う。
物があふれ、情報があふれ、無い物は無い時代は、良い物を作っても売れない。じゃあ、どうする?
『どうしたら売れるか』ではなく、『どうしたら買いたくなるのか』ではないだろうか。
『売る』と『買う』、どっちに着目するかでだいぶ違う。『売る』側に立つと、マーケティングだとか数字だとか、よくやる昨対比だのと、もう今通用しないことにこだわってしまう。これって全部、自分にとって都合のいいように考えている。だから物事は動かない。
要は、『買う』立場の顧客からみて、『買いたくなる』『行きたくなる店』にするにはどうするか?
一つ言えることは、どんなお客様に利用していただきたいのか。店は選挙で立候補する人と同じで、地道な努力と、配達を通じ名前の入った車で商品を運び、店の名前を一人でも多くの人に見てもらい、関心を持ってもらい、店に来てもらい、ついつい買物をしてしまう、という気持ちになってもらう。だから時間がかかる。難しいマーケティングや、スキルやキャリアだのと、『売る』ことばっか考えていると何かをはき違えていることになってしまう。
動画も大切だが、やっぱ生身の人間が一番の説得力を持つ。それと、長くその仕事に携わることで、その人の信用と信頼が増す。会社も店も、そこで働く人も、実は信用を築くために存在すると思う。
働くということは、昔も今もこれからも、信用を築くことが人間が生まれて死ぬまでの、人生で一番大切なことだと思う。
この信用は一瞬にして崩れる時がある。私も経験がある。凄く、恐い。
転職すればするほど、大事な信用から遠ざかって行く気がする。