最近読んだ建築の本で、やっぱりそうかという内容があった。
日本の建築基準法は、『古いものは壊して新しく建て替えるのが一番』という『新築基準法』だと揶揄されているそうだ。
アメリカは全不動産のうち90%、イギリス・フランスは60%~80%が中古物件の取引だそうだ。
ようやく日本も中古物件流通を加速させる政策が動き始めたが、15%に満たない現実がある。
空家対策にも予算を割きながら、もう一方で農地を住宅開発する許可を出している。
こうした開発行為で、ガス・水道・下水道・電気を新たに設置するのに税金を使うとすると、今まで何十年も住み続けてきた古い住宅地のインフラが突然壊れて想像以上の修理代が必要になっている。
新しく開発する前にやることが沢山あるのではないか、後回しになることはないのか。
人口がどんどん減っていく地方都市、あるいは市町村で、世帯数が増えていくのは近い将来とんでもないことにならなければいいが。
税収が減って『財政が赤字』だと言っているのにどうなんだろう。
ドイツでは人口減少する都市では開発許可は出さない、需給を調査して不動産の価値を保つ方法をとっている。こうしたやり方を学ぶことは大切だと思う。
俺達は40年前から今あるものに目を向けて、手を入れるという考えで仕事をしてきた。
80年代までの旺盛な消費意欲がなくなった後に商いをスタートしたから失敗の連続だった。
しかも人口減少・高齢化・グローバル化の今、小さい我々は競争力を持つことなどとんでもないと思っている。無理に成長を追求することはない。
人口減少や低成長を前提として『街』をつくり、その『街』にふさわしい『店』をつくり、その『店』にふさわしい『人』が仕事をする、そして生活をする。
成長を前提とするローンは組まない、となると、新築だけが全てではない。
アメリカをはじめとする先進国の中古住宅に対する考え方は大いに参考になると思うけど。
でも、日本は20年以上所得が増えない経済大国だから、もう先進国ではないのかもしれない。
『成長と分配』とか言っているけど、おとなりの『カンコク』より下らしいよ。