城丸正ブログ

不毛な価格競争、安さの裏側。

2016.02.29

春から値上げしますというメーカーの連絡が入ると一瞬、ふざけるなと思う。

ですがこの20年、コスト、コストと云い安さを売りの小売業が全国チェーンに成り上ったり、一流企業として評価されたり。世の中の価格競争だの価格破壊だの、セールもただのセールではなく最大70%オフだの、安いよ安いよどんどん買って、ここまで値下げします、プレゼントします等々やりすぎてきたせいか、あっという間に働く人の3人に1人が非正規社員という現実。価格破壊から生活破壊になって、人間破壊になってしまったというような事を「ガラパゴス」という小説で相場さんが書いている。私も相場さんも極端かも知れませんが、安さの追求は日本人にものをつくらせないということ、安い人件費の国で大量につくって大量に売る、その小売りの現場あるいは製造の現場は、人件費というコストをいかにおさえるかが会社の存続に大きく影響してくるし経営の基本みたいな言い方。不毛な価格競争は人間の本質を壊してしまう。ですから値上げはある意味大切なことかも知れない。売りにくいものを売る力、品質の高いものは価格が高い。日本人がつくったものは値段が高い。こういった物を販売するには今まで以上に扱う人自身の質も問われるようになる。“おもてなし”だけで納得してもらえるなんて甘い、ということ。皆わかっているけど、より安くより便利、より簡単な損得で動いてしまう。その結果、本当に大切なものを失ってしまう。これ前にも書きましたが、物事の両極性ということだと思う。損得で生きるも良し、否定はしません。