城丸正ブログ

不便益という利益

2018.03.31

便利の反対の不便ということに妙に惹かれてしまう。

30年以上前、青森県の三沢基地へ米軍の払い下げを仕入れに行くとき、お金が無くて高速道路を使えず国道7号線を新潟・山形・秋田・青森と2tトラックで走るとだいたい15時間の片道でした。その当時、ここまでして米軍の払い下げ品を仕入れるバカは俺だけだろうと調子こいていました。

青森の三沢基地だけでなく、立川・座間・福生、今じゃ考えられないくらいあてもなく回っていました。

何が言いたいかというと、不便なこと・不便な場所だからこそ、そこに独自性がある。

例えば、行きづらいからこそ行きたくなる温泉や、船に乗らないと渡れない島。誰でも簡単に行けたり、やれたりする場所や事は、独自性というアイデンティティはなくなっていく。やっとたどり着いた、あるいはものすごく回り道をしてしまった。でも簡単にできたことより何か特別なことになっていくような気がする。

不便なことは必ずしもマイナスなことではない。回り道をした結果、実は思いもよらない体験をし、成長するキッカケが生まれることがある。

私は当たり前に注文して、商品を仕入れて売るというスタートではなかったからこそ、人と少し違う。カッコイイ言い方をすれば、アイデンティティが生まれたのかもしれない。

沖縄を除くほとんどの米軍基地を回ったおかけで、身体の中に様々なものが蓄積されたような気がする。

これ、不便益というそうです。