城丸正ブログ

リノベのおもしろさ

2017.11.19

昨日、西区五十嵐の平家L字中古住宅に用があり、久しぶりにお邪魔しました。この家は私共と星野建築事務所(ROOMZ)でリノベした物件でもあります。

と言っても、大工の土田君の感性と、その物件を購入し今住んでいただいている、だいぶ風変わりな若いご夫婦との合作と言ってもいい作品です。

間取りや設備、そして内装は全部我々が勝手に直し、最後の最後に少し、あるいはだいぶお客様の声を反映させていただく。ある意味『勝手にシンドバッド』じゃないですが、独断と偏見リノベです。S.H.Sのリノベは普通じゃないです。

そして今、このお客様は玄関に”LITTLE YORKE(リトルヨーク)”に絵を描いてもらいたいとの依頼で、彼女が描き始めています。この絵も”おまかせ”です。まだ無名な彼女ですが、一つ一つの依頼を大切に仕上げることで必ず認められる。現に、『貴方に頼みたい』と言われている。お客様は描き始めの瞬間から完成まで、ずーっと”アート”という有っても無くても生活に困らない表現を、あえて生活に取り入れていく、小さな子供さんがいるご夫婦の、自分達の暮らしがそこにはある。この住宅を未完成の状態で住み続け、直し続け、そしてこの仕事に関わる全ての人を特別な気持ちにさせる家です。

新築だけが全てではない、作り続けていく未完成を思い通りに変化させていく、アートな暮らしがあっても良いと思う。子供さんはそんな両親の生き方を身体の中へ蓄積していく。少数派かもしれないが、素敵な生き方の一つです。

私共が古い倉庫や古い旅館を直して仕事をし続けているからこそ、知らず知らず身体に染み付いた感覚が人の役に立ち、喜んでもらえることが幸せです。