仕事上、注意したり、叱ることがある。誰だって叱られるのはいやだろう。上司だって叱ることは本当はやりたくない。なぜなら、叱れば相手から嫌われることもあるし、恨まれることもある。
その後の人間関係も悪くなったりする。仕事がやりにくくなることだってある。でも、叱ることを嫌がらせと受け止めることは違うと思う。
いまふうに言うと「パワハラ」と呼ぶだろうけど、それほど単純ではない。家でも学校でも叱られたことのない人が社会に出て、叱られ方を知らないためなどと極端なことを言う人もいるが、上司が部下に注意したり叱るという行為は「嫌がらせ」ではない。部下が失敗に気付いて少しでも改善し、さらにやる気を出すことを期待している。期待することで、人はそれに応えようとする。
今、自分を本気で叱ってくれる上司がいるのか、もしいるとすれば、あなたは相当期待されている。
人は他の動物と違って理性がある、やさしい心がある。思いやりもある。だけど、平等ではない。
能力のある人、ない人がいる。勝つ人、負ける人がいる。合格する人もいれば、不合格になる人もいる。様々な場で競争はいくらでもある。それでも五体満足で生きている自分がいるとすれば十分じゃないだろうか。
不満のタネは無数にある。仕事がおもしろくないとか、自分を認めてくれない、給料が安い、職場の人間関係がとか、数えればきりがない。それが世の中であり、いたるところで嫌がらせ(ハラスメント)はある。「いじめ」もなくならないし、ネット上の誹謗中傷もなくなることはない。だとしたら、「負けない自分」になるしかない。
仕事上でも、強者が弱者を呑み込んでいく。全国を股に掛けて出店してくる同業他社に対して、なんとか生き延びていこうと必死で戦う我々。この「戦う」は自分の弱さに対しても同じだ。
小さくても強い存在になる。これしかない。