城丸正ブログ

デジタルのジレンマ

2022.10.13

つくづく、絶対的なことは何一つないと、改めて考えさせられる事があった。

大きな流れとして、デジタル化を進めないと生き残れないぞ!もちろんそうでしょうけど、なんとなく「あおられて」いるなぁと感じたり、本当にこれでいいのか、なんて思っていたら、やっぱりなあという記事があった。

デジタル技術は、ネットを介した情報発信や検索、そして買い物などを通じて生活を便利にした。しかし、IT企業の膨張が、富の偏在や社会の分断を生んでしまった。なぜなら、情報サービスは、規模が拡大しても経済はあまり大きくならないし、既存の産業を苦境に追い込む場面も増えてきた。デジタルはすごいスピードで拡大してきたが、必ずしも多くの雇用を生んだとは言えない。実は、デジタル化すると成長するよと言いながら、逆に大した雇用も生まないし、既存の産業の成長の足を引っ張ることになってしまった。

このことが「デジタルのジレンマ」なんだとさ。

GAFAとかYahoo!とか楽天とか、今を代表する巨大企業がこの数十年もてはやされて、「工場」は忘れ去られてしまった。

ところが、アメリカで、工場が再び注目を集めている。コロナ禍以降、アメリカでは製造業の復活が大きく広がっているそうだ。これを後押ししているのが「バイ・アメリカン」という政策、アメリカの製品を買って、アメリカの雇用を支えることに繋がる。

ハイテク企業だけで世の中は成り立たない。しかも、少しずつしぼみ始めている。それに代わって、家族経営を中心とする非公開のアメリカの中堅メーカーが底力を発揮している。

こうした企業は、ドイツや日本の手法を熟知している。やっぱり日本の製造業なんだよ。なんだかんだ言っても大事なのは作る技術、売る技術、「技術」が物を言う。

「技術」はすぐに金にならないし、長期戦になる。10年、20年、30年かけて身に付けた技術は、10年、20年、30年稼げると信じたい。便利で簡単、早くて安いが当たり前になったからこそ、時間をかけて取り組んでもいい。

だって、アメリカが気付き始めてんだからさ、デジタルのジレンマに。よかった、よかった。