新潟大学の外れの小屋でリサイクルショップを始めて2年後位に、古町商店街に店を出したいと思って動いた。
古町での最初は通りに面した所ではなく、『きんしゃい亭』の奥の地下の空間だった。
思い通りにはいかない。
『裏』であり、『奥』であり、『狭い』という立地、だからこそ古町通3番町の横山さんの貸店舗を貸していただいたとき、最高の立地であり路面店だと思いました。
そこで初めてショーウィンドーを意識した。
商店街を歩く人に注目してもらい、1人でも多くの人に入店していただき、展示しているユーズド家具やジャンクを見てもらい、買っていただきたかった。
だから通りに面したショーウィンドーがどんなにありがたかったか。
私にとってこのショーウィンドーは最高の表現の場でもあった。
物事はなかなか思い通りにはいかない、何度も何度も失敗をする。でもあきらめないでやり続けていくと、些細な事が最高のプレゼントに感じることがある。
他人から見たら当たり前のことであっても、ありがたいと思う。
そして与えられた環境で精一杯努力しようとする。
その結果、次の挑戦が鳥屋野潟の倉庫を再生し、店を作ることへ繋がった。
ここでは商店街という路面は存在しない。新潟を代表する自然が味方してくれるこの環境の全てがショー、つまり舞台なんです。
古い倉庫を直すことだったり、最初は外壁にペンキを塗るだけだった。それがレッドシダーを張ったり、周りの自然に溶け込むにはどうするか。というように、自然と一体化していく。行きたくなる場所をテーマにし始めている。
私はずーっと一ヵ所に定住することより、逃げて生きる習性が強いせいで新大の外れから逃げて古町へ。古町から逃げて鳥屋野へ。個人的には寺山修司の逃げ馬のようです。
競争しているのではなく、逃げまくって辿り着いたのが鳥屋野潟だった。
ここは私にとって最高のショーウィンドーであり、舞台でもあります。
次世代は次の逃げ場所を考えているかもしれません。