城丸正ブログ

アリ・トンボ・人間

2024.10.11

元、伊藤忠商事会長の丹羽宇一郎さんが2019年1月に「仕事と心の流儀」という本の中で書いている内容だ。サブタイトルは「つらい仕事ほど人を成長させる」

「君はアリになれるか。トンボになれるか。人間になれるか。」この言葉は、社会人になって進むべき段階を示しているそうだ。

「アリ」は入社して10年ぐらい蟻のように地を這い、泥まみれでがむしゃらに目の前の仕事をやれば少しずつ知識が増えて常識も身についていく。

そして30代前半になるとようやく仕事の何たるかが少しわかるようになり、ここから40代前半までが「トンボ」の時期だ。「トンボ」は複眼的な視点でものを見るし、多角的にものごとを見る力が付くようになる。

「トンボ」の時期は「アリ」の時期よりももっと勉強しなければならないし、その先の40代後半から50代にかけて「人間」になっていく。

この「アリ・トンボ・人間」という成長段階は誰もが通る道ではあるが、必ずしもすべての人が「人間」になれるわけではない。

「アリ」の時期の過ごし方で「人間」の基礎がつくられる。この「アリ」の時期に身を粉にして働いた人は、仕事が自分に合う合わないとか性格がこうなのでああなのでとかゴチャゴチャわめいている人よりもはるかに実力をつけることができる。

「アリ」の時代に習うことは仕事の土台で、給料というお金をもらって勉強させてもらっているのだからなんにでも興味を持ってやる。いやいやながら働くよりも何倍も仕事のやり方が身に付く。

 

一流企業の経営者がまわりにいる一流大卒にわざわざ向けた内容ではないだろうが、今どきこんな内容を書く人はあまりいないと思う。

我々のような中小零細の社長が同じことを言っても伝わらないが、こういう人が書くと響くはずだ。

自分は大学を卒業して6回も職を変えた。理由は、「こんな会社、こんな先輩の下でやってられない」の連続。どこにでもいる「バカ者」だったからこそ刺さる内容でした。