先日、決算の打ち合わせで経理事務所の方とお話をした中で一番印象的だった内容は、担当している中小零細企業で黒字決算を出している企業が20%位ではないか、下手したら10%位ではないか、地方の経済はアベノミクスの効果など全く感じられないというような事でした。8割の企業が赤字ということは法人税などとても払えないという状況だということになる。日本の企業の98%が中小零細だとすれば税収が上がらなければ消費税を上げ、事業所税等でなんとかしなければ市や県や国の財政がもたないということなんでしょうね。一言でいえば厳しい現実が目の前にあるということです。
最近新聞記事でブラック企業のことが取り上げられていました。どういう基準でブラックとかホワイトとか区別しているのかわからない。世の中の中小零細企業の中で清く正しく美しい会社を目標に皆さん頑張っていると思いますが現実の厳しい局面では時には鬼になることもあり、全てを犠牲にしてやらなければならないことや、競争に勝っていかなければならないことが沢山あります。しかも努力しても報われることもない場合もあります。世の中や会社という世界はそういうものであると思います。ですから特に若い人は覚悟を決めること、小学校の運動会で全員よく頑張った、皆一等賞なんてふざけたことをやっている場合じゃないんだよ。地方も大学や専門学校をつくれば高い教育を受けさせることができ、それが地域の発展に大きく影響を与える。なまじっかそんな学校卒業するもんだから安心でつぶれる心配のない企業に就職したい。そして安全で安心して暮らせることが幸せなどと中小零細なんて見向きもしない若い人が多いのではないだろうか。しかもマニュアルがないと何もできない。40年以上昔、私が大学を出て就職したときに先輩からいつも云われた言葉は、「お前それでも大学でたのかよ」でした。今そんなこと一言でも言ったらパワハラ、うつ病、等々大変なことになってブラック上司になってしまうかも。あまりにも何にしてあげるから働けるでしょう、こんな素晴らしい環境を用意しました、気持ちよく前向きになるでしょう。便利な国の悲劇、不便な国の心の健康。会社も市も県も国もそんなに豊かではないですよ。若い人が心も体も強くない社会には未来がない、あまやかす必要は無い。大工の土田君は先輩の仕事を盗んで覚えた、あまり教えてもらったことはないと言っています。これ基本だと思う。今20代の大工さん、ほとんどいないって言っています。我々のような接客販売職も非常に少なくなっています。技術を磨くというアナログな仕事、大切な仕事です。何十年やってもゴールが無い。だからすばらしい仕事なんです。わかりますか。本当に厳しいものなんです。仕事というものは。だから素敵なんです。